【憤怒の涙】

今夜の会合は参加せず。

図書館から借りてきた直江兼続の本、源義経、戦国時代の軍師、幕末志士の本を読んでいた。


会合から帰ってきた姉よりY氏より今回の土地問題の贈与税に関するコピーを預かってきたと。

その紙に書いてある内容に目を通し、今まで堪えてきた感情が爆発した。

憤怒の涙が溢れた。

贈与税の手続きを行なうのに、約五万円を今月中に用意しろとばかりに記されていた。

私は彼と一緒に福祉事務所へ行き、生活保護の相談に行っている。
どこに、そんな金があるというのか。
土地が欲しいのなら、誰かにくれてやる。

私は堪えに堪えてきた。
この数年、堪えに堪えてきた。

堪えきれない悔しさが溢れてきた。

払う必要のない金。
もっと強硬な交渉をすれば良かった。
働けぬ私を「コンビニ辺りでも働けないのか?」と聞いてきた。

傷ついた心の痛みと、ままならぬ身体の疼痛で、怒りが込み上げてきた。


人に配慮を求めるのが、土台、間違っている事は判っている。

ただ、一家の柱である私が、こんな窮状であるのに、事務的に事を進めようとする、その「お役所感覚」が悲しかった。

私の頚椎が細い事は、難病指定になるのではないか、と問うと「何のために調べた?」と切り返した、あの瞬間を思い出した。

あの冷たく突き放したような物言い。親切さを繕っているが、明らかに迷惑そうな表情。

思い出しただけで、悔しかった。自分の身体を恨んだ。

痛みさえなければ、この痛みさえなければ、こんな悔しい思いをする事はなかったはず。

堪えてきた悔し涙。
家族の前で、初めて見せた憤怒の涙。

私は「もっと怒れ」と家族を叱っていた。
「人の痛みを忘れた忘恩の輩を許すな。徹底的に、あの慢心を打ち砕け」と命の底から叫んでいた。
あんな声で家族を叱り付けたのは生まれて初めての事だ。

私よ、よく覚えておけ。
今日の憤怒の涙を。

そして、心弱き人間が権力を握ると、今度は人間を見下す事を。

私よ、その姿を忘れるな。

権力の魔性に取りつかれてしまったら、人間は変わると言う事。

特権意識の人間を冷静な眼で見抜け。

断じて池田城を護るのだ。
今はその力を蓄える時なのだ。

涙を拭いて、立ち上がれ。