原作で描かれる直江兼続は、ドラマで描かれるイメージとは程遠い。
原作は良い。
余計な説明も極力省いた簡潔な描写が良い。
ドラマの天地人の直江兼続も憎めないが、原作の兼続は惚れ惚れするほどの人間味のある青年だ。
「新・平家物語」の長編に読み疲れ、息抜きで読んだのだが、引き込まれてしまった。
兼続なくば上杉無く、謙信や景勝なくば兼続は無かったのだ。
「縁」とは不思議なもの。
謙信の心を真っ直ぐ受け継いだのは、血縁関係なく、兼続しかいなかったのだ。
兼続の兜の前立ては、「愛」。
儒教で説く「仁愛」の「愛」。
儒教の兼続ですら、あれだけの働きをしたのだ。
妙法の剣を掲げる私たちは、さて如何にせん、と思う。
