【心療内科の扉】

私が最も苦手な病院は心療内科だ。

まず受診前夜は緊張で無口になる。

主治医のM医師との噛み合わない会話が嫌なのか、10分間の診察時間が苦痛でならぬ。

冷徹な医師を相手に、自分の近況を伝えるのは疲れる。


心療内科の扉は、とてつもなく重く冷たい。

そして診察室の扉は、人生に重荷を課す扉だ。

私は医療を信じない。
患者は医者の食い扶持だ。

医者も弁護士も、政治家も、人間の生きる権利を守るためにある。

それは幻想だ。

人間の不幸によって、生き血を吸う畜生界の眷属だ。


良き医師とめぐりあうことは、宝くじに当たるようなもの。

医療界も法曹界も、政治家も、期待をしてはいけない。
それを肝に銘じた数ヶ月の流れ。