【春雪】
屋根から雪が地面にドスンドスンと音を立てて落ちている。
真夜中。
雪景色を眺める。春雪。
心静かに己を見つめる。
私は何を憤り、伏せているのだろう。
ざらついた心。
布団の中で、昏々と寝ては起き、宙を見ていた。
時間が止まっているような錯覚。
背の奥が痛い。
疼痛甚だ酷し。
思うこと多々あり。
胸中、奥底に燃えるもの、確かにあり。
それは闘志か、単なる怒りか。
身心がままならぬ憤りか。
苛立ち。悲しく口惜しい。
我儘、未熟さを憐れんでいるのか。
今、私の心は16歳の荒れた青春時代を彷彿させる荒れ具合だ。
白雪は美しい。
まだ美しさを愛でられる心があるのか。
哀しさゆえに、見つけられるものがある。
見えるものがある。
ささくれた心。
この心身を治すには、時間が要る。
美しき白雪。
この疲労困憊の命を覆い隠し、
汚れ切った命を、洗い流してくれるか。