【面白くもなき世を面白く】
今日は疲労困憊。
言葉も出ない。
病院にも行かず、灯油とガソリンと子らの食べ物を買う。
疲れた。
高杉晋作の本を読破する。
晋作は「面白くもなき世を面白く」と辞世の句で詠んだ。
晋作のように生きられたら、と思う。
晋作は志半ばにして結核に冒された事を自ら知ると、自分の余命を逆算しながら、生き抜いた。
享年29歳。
晋作は23歳にして、挨拶されるよりも、挨拶される側の人間であったという。
それほど貫禄があったのだろう。
その一文を読んで考えさせられた。
高杉晋作の面構えは好きになれないが、眼光の鋭い印象だ。
晋作は根っからの詩人であったという。
詩人ゆえに、サービス精神旺盛で人を楽しませる事が、何よりも好きだった。
詩人ゆえに、誰よりも純粋で孤独も、疎外感を感じる事も多かったのではないか。
「偽物か本物か」
それが、晋作の判断基準であったという。
晩年の晋作は、気がつくと師である吉田松陰の言葉をそのまま口にしていたと。
その時に師弟になれた気がしたのではないかと書かれていた。
松陰の精神が晋作の血肉になったと。
いつの世も、世の中は愚人が闊歩するものなのだろう。
晋作もほとほと傷つく事が多かったと、その心情を漢詩で詠んでいる。
先生が晋作の如く、義経の如く、と言われる意味が、朧気ながら、分かったような気がした。
先生の洞察は、余りにも深い。