【兼継の眼】

御舘落城の前哨戦ともいえる今週の放送。

長澤まさみ演じる「初音」はいらぬものの、それ以外は深い内容だったようにも思う。


兼継を見ていると、やはり若き日の先生が二重映しになる。

今の時代に映画「新・人間革命」を企画するならば、兼継しかいないだろう。


兼継の振る舞いも、景勝の決断も良かった。
武田勝頼の前にて、よどみなく蕩々と相手の心を動かし、金を盟約の道具にしてみせた。


あの兼継の眼力も迫力があった。

そして、信長の台詞。
初音に「何のために?」と聞かれた場面。

異論はあるだろうが、あれが信長の正直な思いを代弁したのではないか。

信長が島国を遥か見越していたのは、間違いない。

手法は荒っぽく、残忍な面もあるが、信長には信長の「義」があった。


そして、武田家より上杉家に政略結婚で嫁がなければならなくなった「菊姫」も、これからどのようにして景勝の正室として描かれていくのか、楽しみだ。


今私は「信長」と「吉田松陰」と「高杉晋作」、「石田三成」、「直江兼継」を読んでいる。

回らぬ頭で読むのは辛いものはあるが、「石田三成」は秀作だ。


兼継の真っ直ぐな涼やかな眼差しは、若き日の恩師に似ていることが何か嬉しい今日だった。