【胃癌の疑い】

今日、くまおばちゃんが入院する病院に新聞と週刊誌を差し入れに行ってきた。


昨日は酷い風邪を食らわされたが、今日になり随分楽になった。

リハビリ帰りに病院に寄り、くまおばちゃんを見舞った。

顔色も良く、食欲も旺盛。
ただ明日は大腸の検査の為に、食事は栄養補助の軽いものだった。

おばちゃんはそれが不満らしく、「あー腹減ったな、チクショー」と連発していた。


元気そうな様子に安堵する。

おばちゃんが思い出したように、一枚の紙切れを私に差し出した。

主治医からの検査結果と今後の治療方針が書かれていた。


「病名―――胃癌の疑い」
「手術予定日――4月16日」
と書いてあった。

おばちゃんが言葉を続ける。

「この間の胃カメラの組織検査は異常なしだったみてえだな」

「明日は大腸の検査なんだよ、全くめんどくせえな」


おばちゃん、大丈夫だ。

おばちゃんは「もはや、これまで…」という大病を何度も乗り越えてきた。

今回も手術はない。
次の検査でも異常はねえよ。

まだまだ、私は今世の親孝行が終わってない。

もう少し、待っててけれ。
何不自由なく暮らせるよう、わし、がんばるからな。