【司馬遼太郎の義経観】

まだ司馬の「義経」は一ノ谷の章をやっと読んだところだ。

以前から聞いてはいたが、司馬遼太郎義経を描く姿勢は辛辣だ。
司馬遼太郎は「判官びいき」というものが嫌いらしい。

司馬は忠実に史実を元に、義経の等身大を描いている。

それでも、義経を「愛嬌がある」「放っておけない」「何処か神掛かり的な魅力」を認めている。

義経の欠点をあげつらえば、「政治的痴呆」「情事好き」義経自体を「生殖器」と、これまた辛辣だ。

それでも、司馬の描く「義経」に引き込まれてしまうのは、司馬の魔力なのだろう。

ある意味でいえば、司馬の歴史観は誰よりも厳しく、公平に見ているのかもしれない。


司馬遼太郎がいかに義経に辛辣な評価を下そうと、私の義経への敬慕は変わらない。