【名将の決断】

書店にて「名将の決断」を購入する。

創刊号は「勝者・織田信長 敗者・坂本龍馬」の特集だった。

勝者の戦略と、敗者の誤算の、それぞれのポイントを挙げて、検証している。

薄い本ながらも、読みやすく、執筆陣も一流。切れ味鋭く名将の采配を分析している。

この中には、奇兵隊高杉晋作についても、触れられている。



監修をしている童門冬二氏が、創刊に寄せて「決断が歴史を変える」と記している。


「現在決断を求められる立場に立つ人はたとえてみれば゛山の上の一本松゛と同じだ。

しかし吹き倒されるわけにはいかない。自分は幹だ。枝葉(部下や取引先など)がたくさん繁っている。

したがって、幹である自分は土中から滋養分を吸い上げて、自分で自分を支えなければならない。

そして、最後は一人で決断しなければならない厳しさゆえ、必死になって過去にいろいろな例を求めるなど、苦悩は続く。

『決断者は孤独である』
という心がまえだ。古い言葉に、
『天はみずから助くる者を助く』
というのがあるが、いまのような異常な時代における決断者にこそ、この言葉が相応しい。

この本では、その『決断』について、名将たちの成功例と失敗例を対比しながら掘り出していく。
決断の結果は厳しい。必ず勝者と敗者に分かれる。

しかし敗者の決断の中にも、情報収集や状況認識にいま一歩詰めがおこなわれていれば、そのまま勝者の決断になったかもしれない例が多い。

その意味で、勝者の決断だけではなく敗者の決断にも目を留めて欲しい。

加えて知って欲しいのは、名将たちの決断には特別な『覚悟』があったということだ。覚悟とは、

『やり直しはしない、できない』という決意だ。だからこそ、決断が一つ一つ未来をつくり、歴史を変えてきたのだ。

この本が、まさにいま決断し、いま行動しようとする人びとにすこしでも励ましになればこんなうれしいことはない。

『名将の決断』は、
『自分で自分を助ける勇気』
を生む方々へのエールである」。

素晴らしい言葉だと思う。

私は今日、この本を手にしたことは偶然の出会いではないことを確信する。