【鬱々と夜明けを待つ】
とうとう朝になってしまった。
昼間寝込んだ分、夜が眠れなくなった。
しかし、口が重い。
無口で無表情。
生きながらにして亡霊の様だ。
カメラを手に取るのも億劫。
ただ、頭を垂れて浅い呼吸をしている。
「心ってのは難しくて、自分の思うようにいってしまう。だから、心を師としなければな」
正論。反論の余地もない。
思いやっての言葉をかけてくれ、僅かながら、嬉しい様な気持ちもするが、その心が病んでいる時は、地獄に堕ちろともとれる言葉。
言葉や交渉に敏感になっている私にとって、些細な言葉や表情も容せなくなっている。
心が半死半生の時に、当たり前の言葉を浴びせられると、口も言葉も心も閉ざしてしまう。
朝だ。寝よう。
心寂しき朝の涼風よ。